仁木町移住日誌 二日目

朝8時ごろ起床。窓から空気と景色が心地よい。今日は近くの学校で運動会らしく、開催を知らせる花火音が響きわたる。ダキの散歩で余市川のほうにいってみる。出かける近隣のお兄さんから「おはようございます」と声かけられる。「うわぁー、かわいいですね」とダキをあやしてもらう。昨日妻がはなしていた、街路樹(といっても一軒家のお庭になっているものだが)さくらんぼが実っているのを確認する、いい赤づきでちょうとシーズンのようだ。

セナは新居でもトイレを探している様子。簡易トイレを前のお家と階段が似たような間取りなのでトイレが置かれていた場所においたり、ここがトイレだとと何度言っても、どこか探している様子。とても心配。明日、引っ越しの荷物が届く予定。今日はセナ&ダキが乗せられるレンタカーを一度返して(そのまま借りると値段が高いので)軽ボックスに乗り換え、急ぎ必要な車を確保するミッション。また、近隣の方々へのご挨拶の品を東京で準備してこなかったので、札幌の宮下さんのまほろばで買い物することにした。

まずは仁木町役場に向かって転入届を出そうと思ったが、土曜日はお休みでやっていなく、そのまま余市のホーマックに訪問。セナ&ダキのトイレ関係を探す、セナのトイレは4日に届く荷物にあるので、それまでのしのぎで背の高い段ボールを探すが持ち帰れる段ボールは品切れでない。しかし、トイレ用の口が閉まって匂い対策された便利そうなゴミ箱があったので購入し、その段ボールがセナのトイレに使えそうと妻と話す。一度家に帰りセナのトイレ対策をしようとする。帰りに家の近くの仁木ファームによって、私はいちごとバニラのミックスソフトクリーム、妻はブルーベリーソースのパフェを購入。キッチンでせっせと3人ぐらいのスタッフがいちごタルトをつくっていた。木造建築の2階はカフェのようだが自粛でクローズしていたので、車内で食べる。2人ともスイーツが大好きなので、近隣にこのようなお店があるのは嬉しい。ここから妻もアメリカ駐在以来、運転が久しぶりなので、妻に運転を変わる。駐在していた3年ぐらい運転していたからか、私より全然上手だ。お家に帰り、セナのトイレをセットしてみる。ここも妻と私のイメージが違ったことから、昨日からの口論が少しつづく。

11時、レンタカー返却の14時まで時間がないので(ここから新千歳までは2時間かかる)引き続き妻に運転してもらう。札幌市内の車を探す前に、保険として近隣の中古車やディーラーを確認しておきたかった。中古車サイトで事前に探していてスズキ車が良さそうと妻とは話していた。余市国道5号線沿いのスズキのディーラーを見つけてそこに突然訪問する。予約がないとダメそうだったら、受付の可愛い女の子が、どんな要件か、急ぎ手に入る車を検討していることを伝えると、ご予算は?と聞かれ、抑えられたら嬉しいけど100万〜200万円ぐらいと伝えると担当者を連れてきてくれた。奥から女性(日本女子ソフトボールの宇津木監督のようなスポーツやっていたそうな雰囲気)がヒアリングしてくれ(奥の事務所からスーツ姿のスタッフが、何事かと全員こちらを観察している)、車種は決まっていますか?と聞かれ、軽のハスラーやスペーシア、XBEEあたりを検討していると伝えると、すべて試乗車があるので、乗ってみます?外にあるハスラーを案内される。

デザイナーの妻と、少しデザインをかじっている私は外見重視派。都内でみかけたハスラーが良さそうねと話していたのと、アパートの駐車場にも近隣の方でハスラーが2台停まっていたことから、気持ちはハスラーに偏っていた。ぐるりとディラーの周りの道を妻に走ってもらう。レンタルしているレヴォーグとは雲泥の差、室内の雰囲気、乗り心地はオモチャ感が否めない。なるほど、同僚から言われた「軽は所詮軽ですよ」を思い出した。試乗途中で妻から運転を変わる。なるほど、なるほど、こんな感じか。ディラーに戻ってハスラーから降りると、お店で一番偉そうなYシャツ姿のおじさんが参謀を1人引き連れて待ち構えていた(何この順次ボスが出てくる感じ、地方のディーラーあるあるなのか?w)、車すぐ欲しいのか?ニュースで見ていると思うが、コロナで部品が届かなく、新車は3ヶ月ぐらい待たないとダメだよ。すぐ欲しいなら、このスペーシアとスペーシアカスタムはうちの試乗車だけど、売ることはできる、どうする?と聞かれる。(どちらも業務感万歳の白ベース)ハスラーよりはスペーシアのほうが乗り心地は良いよと。(売る気満々)隣にあった次の候補だったXBEEも試乗車したかったけど、こいつは高いよと。でも200万ぐらいでしょ?と確認しながら、時間が気になり、今日は時間ないから、明日またくると伝え、見積もりつくって待っているとお別れする。

とりあえず札幌で車探して、保険として地元の感触がつかめてよかった。やはり軽は2台目じゃないと厳しいかもねと会話しながら妻の運転で、レンタカーを交換する新千歳へと向かう。昨日来た道を逆戻り、アメリカのときに運転していた癖で、左ウィンカーを出そうとワイパーをなんどか動かしてしまう妻。脳内が昔の癖を覚えているんだね、運転っていい脳トレ、いつも使っていない場所が活性化された感じがある。

新千歳の日本レンタカーに無事到着。ガソリンスタンドが近くになかったためレンタカーにある給油所で給油してもらう。ガス代2500円ぐらい支払う。次の車の手続き。怖いので前回もそうしたように保険はすべて適用してもらって自分たちの車が手配できるであろう次の日曜日まで(まだ確証はないが)契約する。軽でサイトからはホンダNボックスかなと思っていたら、割り当てられたのは、なんと購入候補車になっていた水色のスペーシア!さっき試乗できなかったからラッキーだね!と妻と話す。

さきほどハスラーを試乗したので、軽自動車の感触はなんとなく把握している。運転は私にかわり、とりあえず札幌市内まほろばに向かう。新川ICで高速を降りて、初めて市内を走る。やはり余市仁木の田舎道とは違い車も多く3車線、運転に緊張がはしる。一度、まほろばをスルーしてしまい(確か以前もしたことがあるが車が多い反対車線側にお店があるので右折しづらい)ぐるりとまわってまほろばに到着、唯一空いていた駐車スペースに道路と隣接していることもあって、バックで停めるのに苦労する。

まほろば本店は創業37年の売り出し中で、活気ある店内はさすが。スタッフが生き生きしていて、みんなが笑顔で楽しそう。改めていいお店だ。忙しいところ失礼ながら、事務所からカゴを店内に戻そうとされていた島田さんに妻が声を掛ける。「東京から移住してきました、中山です」島田さんは把握されたようで、ついにですねと笑顔で対応してくれた、社長が事務所にいますから是非とご案内される。売り出しでお忙しいだろうから挨拶程度で終えようと思っていたから恐縮してしまう。事務所奥、かつては宮下さんが座っていた奥のお座敷に大橋社長がようこそと招き入れてくださる。

突然、お忙しいところすみません。いえいえ、いまお客様がひいたところなので丁度よかったですと言って頂けた。お座敷でしばらくお話する。私たちの移住について、ついにというか僕はやっとと思っていますと。大橋社長は仁木町を拠点として、これからの構想があり、そこに私たちが加わったことで加速すると喜んでいただけている様子。(とても有り難く、そしてとても心強い)大橋さんから妻の仕事について聞かれ、グルテンフリーのお菓子屋づくりや、最近主催しているリモートのワークショップ、ジェモのお話をする。北海道医療大学の堀田清先生と自然派手作り石鹸を作っているお話と書籍を紹介いただく。(堀田清先生は写真家でもあり、素敵な書籍と店内で販売されていたダイコンの葉を煮出した汁をつかった石鹸をさっそく購入させてもらう)

店内から女性のスタッフがソフトクリームを妻と私の分ふたつ持ってきてくれた。大橋さんからどうぞとありがたく頂戴する。さっき食べたいちごとバニラのミックスとは、まったく次元が違うことに驚く。いちごの香り、ソフトクリームの食感とところどころのつぶつぶ感。大橋さんからこのソフトクリームのこだわりについてお話してくださる。市販の生クリームが添加物だらけであること、機械から自分たちで手配してまさに手作りであること、まほろば農園のいちごが格別だったことなど、まさに自分たちが食べたいソフトクリームをお客様に利益度外視で格安で提供している姿勢に感動する。(サービス精神旺盛で何度も試作品で研究熱心な妻ととてもシンクロ)

大橋さんから一二三糖でふんわりしたスポンジケーキ焼けますかと質問され、大橋さんから、そのスポンジケーキを研究されているというスタッフの齋藤さんをご紹介頂き、ここでも実験は妻の得意領域だと話が盛り上がる。これでいけるというレシピを工場で生産してしもらうと、どうもしっくりこないらしい。妻がインスタグラムの写真をもとにシュトレンのお話などをし始めたので、大橋さんのスポンジケーキの話題に戻そうと、妻が玄米を自分で粉砕していて、鮮度が大事なお話だったり、グルテンフリーのお菓子って我慢しているイメージが強かったが、妻のお菓子を食べるようになってから、逆になぜ小麦粉じゃないとダメなんだろうと思うようになったお話をすると、大橋さんもグルテンフリーと最初言わない方が良さそうですね。結果、グルテンフリーだとあとからわかる人がわかればいいと、まさに我々がお話していたことをおしゃってくださり、改めて、妻との相性のよさ、いままで何度もやりとしてきたかのような、ビジビシと通じる以心伝心、これからいくつものプロジェクトをご一緒していけるのが、本当に楽しみで仕方がない。また、相当期待されていることを再認識し、その期待にこたえなければと決意を新たにした。

しばらくお話させてもらい、車の捜索が気になったので、そろそろ買い物して帰りますと伝えて、店内をまわる、丁度、売り場で出張出店されていた高知県の入野さとふ(黒糖のような自然のおさとう)の計り売りをしている元気な女性から試食させてもらう。全く違和感のない自然な甘さ。近隣の方へのご挨拶もこれがいいんじゃないかとパッケージを5個、我が家用に計り売り200g、また丁度切れていたまほろぼのお味噌も購入させてもらう。

車内に乗って、さて車を探そうと、ネットで下調べして良さそうな車両があった店舗をナビで入れてみる。なんと偶然にも車で10分ほどで着く距離であることが判明。狙ったわけではないが、このような偶然がこちらにきてからかなりの頻度で連発する。早速、訪問(これも通り過ぎてしまい大回りしてなんとか到着)するとメガネかけた短髪のお兄さんが外にいて、予約していないんですが、車を探していてちょっといいですか?と尋ねると、ぜひ、黄色いラインのところがお客様の駐車場なので、そこに車停めてくださいと案内される。後ろでオーライ指示してもらったが、バック駐車が下手すぎて斜めになってしまったにも関わらず、たぶん、今日はもうお客様いらっしゃらないからこのままで大丈夫ですよと、優しく受けごたえしてもらう。

さっそく店舗にある中古車を見て、ネットに見覚えのある車が複数ある。今日の午前中と同じように、検討している車種、そのなかでもXBEEを探しているとお話すると、丁度、うちで試乗車として使っていた車で、走行距離2000kmでほぼ新車状態の車両がありますよと案内され、ネットでいいなと目をつけていた通り、カーキ色の理想のXBEEが奥に停まってました。いくつか試乗車みてみます?と案内されて、試乗にあたっての手続きを終えたのち、最初はソリオをお勧めされるが、隣のXBEEの試乗車をトライする。外見はコンパクトな割には室内は広く、ハスラーやスペーシアのような軽のオモチャ感はなく、妻に運転してもらいディラーの周りを周回する。早速、妻も、うん、しっくりくると言ってくれて、その様子を見て、自分が運転するまでもなく、この流れに乗ろうと、この車に決断する。

その後、実際の新古車を確認、横滑り防止、ナビ、ETC、バックカメラ、フロントドライブレコーダー、ヒートシーターなど必要な装備はすべてあり、さきほどの試乗車よりはグレードが一つ落ちるが、ハンドル(ちょっと重要なのでいずれはハンドルだけでも買い換えたい)やシート、フォグランプやLEDランプ(こちらもあとから交換可能)程度で、エンジンなど走りについてのスペック違いはないこと、料金的には車体価格が199万円で、ちょっと予算多めだが、もうこの車に決めようと妻とも合意して、手続きを進める。店内に入り、案内してくれたスタッフの名刺をもらう、加藤さんというお名前でなんと店長さんでした。フォグランプって必要です?んー、正直、ファッションです!と包み隠さず質問に答えてくれた。(とても好印象)冬のタイヤとワイパー、ウィンドウバイザー、北海道は除雪で道路に塩が撒かれる兼ね合いで車下が錆びやすいので下回り防錆塗装を235万円也。新古車は金利も新車扱いで年1.90%が適用されるとのことで、頭金50万円、7年ローンにしてもらう。

ただ、できるだけ早く手に入れるためには、仁木町の転入届けを出して、印鑑証明と車庫証明が必要とのことで急ぎ、月曜日に手続きしてお昼ごろに持ってきますとお伝えする。早ければ週末、仁木町の場合は手続きがかかって翌週末になるかもと言われる。(できれば来週末に手に入れたいところ)